暦よりすこし遅れて、春のにおいをしっかり実感しはじめたら
ツワ採りの季節です。
さあ、背負い籠(しょいてぼ)をしょって、出かけましょう。
島では、ツワブキのことを「ツワ」と呼びます。
ツワは島のいたるところに自生していて
小道、砂浜沿い、畑の脇で一年中見ることが出来ます。
でも食べることが出来るのは、若い芽が生まれる春だけ。
葉がまだ比較的小さく、うぶ毛が生えた茎を選んで摘み取ります。
ツワをとってきたら、ここからが本番。
1本1本、皮をむいていきます。
これが結構大変でもあり。
春のよろこびに満ちた瞬間でもあり。
ツワをむくとアクで黒く汚れるので、それを防ぐために
酢水で手をぬらしたり、むくまえに一瞬だけ湯がいたりします。
曲げながらむくと、うまくいきます。
むいたツワは水につけて。アクをぬきます。
その後、再度沸騰したお湯で2分ほど茹でてアクを出します。
そのあとは、厚揚げや練り物を入れて煮物にしたり、炒めたり。
その家庭の味でいただきます。
今の時期、どこの家庭にものぼる、まさに春の味。
ほろにがい独特の風味がたまりません。
春に、春のものを食べると
とても身体が気持ちいいです。